ゴールデンカムイを読んで



週刊ヤングジャンプに連載されている野田サトル原作の「ゴールデンカムイ」という漫画が、面白いんです。


きっかけは手頃な短い漫画を探している時に、「明治時代を舞台に退役軍人がアイヌの少女と旅をする」という文言に惹かれて試し読みもせず一気に全巻を購入してのことでした。明治浪漫や軍人が作る世界観、とても好きです。


なんとなくネットでグルメ漫画、変顔漫画、シライシがおもしろい、の3点は知っていたのですが読み進めてびっくり。突き抜けた変態たちによる太く短い人生賛歌という最重要項目、きいてないよ~(⌒▽⌒)



ということで、私の興味は当初犯罪学に惹かれました。

辺見和雄ですね。

前情報なしで読んだのでかなりドキドキしました。
急に作者が本領発揮し始めたターニングポイントだと思います。



>ああ、この人に殺されたい。よし この人を殺そう。
だって僕が求めていたのがこの人ならば
僕なんかに殺されたりしないはずだ(5巻39話:辺見)



すごいセリフですね。
彼のこの言葉によって連続殺人鬼がどうして人を
殺す欲求を持ち得ているのか、少しだけ理解を示すことができる気がします。ステレオタイプの狂人や殺人鬼というのは私たちとはかけ離れた突飛な思考回路を持つ理解不能な存在として演出上描かれることが多いのですが、ゴールデンカムイに出てくる死刑囚たちは、私たちとそう変わらないのではと思えてきました。元々趣味にしている猟奇的犯罪者達の語る動機が、創作であるはずの彼と似通っていることに興味を示しました。



8巻に出てくる江渡貝くんも同じです。

彼もかなり突き抜けた一面を持つ一方で母との複雑な関係を抱き、去勢され歪んだ過去を持っています。

なにより、この漫画に出てくる登場人物達の多くが家庭環境に恵まれず不遇の人生を歩んでいます。時代背景もあるのでしょう。彼らからは悲壮感というものがなく、力強く生きている姿は読んでいてとても楽しく痛快です。




登場人物の誰しもが魅力的で追及すればするほど、人間としての愛おしさがこみ上げてきます。調べていく上で、どのキャラクターにもモチーフとなっているものがあることに気づきました。また、作品全体にも映画や小説、絵画に歴史上の人物などオマージュがたくさんひしめきあっていて、成る程闇鍋ウェスタンと煽りで書かれるのもすごい勢いで納得しました。作者はたくさんの文献や取材をされているのだな、と漫画作りにも興味しんしんです。





いつのまにかゴールデンカムイが好きになっている自分がいました。



頭の回転が鈍いので長々と考えることは大好きです、人の考察を読むのも大好きです。
そんなきっかけで、ブログを作りました。
飽き性なので続くかはわかりませんが、ゴールデンカムイをきっかけに知ったことや調べたこと、読んで面白かった本などをを中心に忘備録として使っていこうかと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます。






































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